レコードの選定作業。
これは、サンプリング用、これはDJ用と、振り分けたり。
暗闇の中で生き方を成熟させれる、ダンスフロアが好き。
どう踊るかは、どう生きたいかに繋がる。
螺旋状の朝日に照らされ、
朝、目が覚める。まだ生きていると、不思議な気分になる。
なぜ、自分は生かされてるのかと。
体温、室温、熱帯夜に見る、現実との境が曖昧な夢。
あまりにも短く、長い、この人生の中で、ありったけの景色を胸に宿して、音や写真や文にして、届けたい。
多くの人と盛り上がって同調することを強いるフロアでなく、
暗闇の中でそれぞれの踊りを。
レコードと戯れながらそんなことを、とりとめもなく、思う。
バイナルからサンプリングして、曲を作るのは、あらためて、精神衛生上よい。
一日の終わりの晩餐で、
いろいろなおかずをちょこちょこ食べて、必要な栄養素を補っているような。
ときに、レコーディングされた風景や、音のコンプレッション感や、楽器の編成、プレイヤーのミュージシャンシップ..
ライブも、もちろんよいが、録音芸術に触れて、癒され、励まされ、
今宵もまた、新たな旅の予定を、
刻む。
そんな、音の旅。
この先になにもなくとも、
ただ行ってみたい。
そこに何かを作ればいいのだから。
眩い光に透けた、遠くの雲。
透き通る青さの海。
チャーターしたバン。
大音量で台湾語を話す運転手のおじさん。
ミネラルウオーターのぬるさ。
台湾の海沿いを、あと少し、あと少し、もっと遠くまで。
心は夏を走っている。