言葉以外で、感覚を、感情を伝えることができる人間。
とめどなく流れる音楽や、
愛する人に作る食事や
色彩に溺れそうになるような絵画や。
クリスマスから、年末年始に向けての
この時期は、一年でやれることをやれたのかと、自分で自分を問い詰めるため、どこかやるせない日々でもある。
冬の静かな夜は、魂が浄化していくのを感じるようだ。
あたたかい毛布や、夏の風の匂い、
南国からの便りを待つ、そんな想像力で冷えた心の中には、小さなストーブを作ってやる。
薪をくべるように、大切な人との酒や、景色を自分に与えてやる。
いつもおもうことかもしれない。
その先に何もなくても、歩いてみたいと望む自分がいる。
灰色の冬空の下
遠くの街へ行くことも
音楽が傍に、音楽の中で息をしていれば、心強く在れる。
冬の寒さに弱いなら、少し、愉快におどける気持ちで、
冬はそれぐらいで、ちょうどいいのかもしれない。
クリスマス、そして新年が、いよいよ
近づき、通り過ぎて行く。
あなたが、何ものにもとらわれず、
ただ静かに年を越せますように。
外界から守った、薄い皮膜でぎりぎり耐えた心が、やがて内も外もなくなり、全体となるように。
音のなるほう
雪の降るほう
晴れ間を探して。
12月という時を謳歌できますように。