私は海外の安ホテルに泊まり、コンチネンタルスタイルのブレックファーストを食べ、まずいコーヒーをすすり、
今日の予定を頭の中で反復しているとき、静かな快楽を得ている。
火を使わない、ヨーロッパスタイルの、パンとコーヒーとジャム、
あってもオレンジジュースか、ミルクとグラノーラだけの朝食は、
前夜に飲み過ぎた胃腸には充分過ぎるのだろう。
ヨーロッパ大陸の人は夜に集い、語らい、食べ、呑み、
いわば、闇の中で快楽を得て、親交というか、信仰ともいえる、
彼等のナイトライフ、または、家族と共に過ごす夜に没入するそのエネルギーは、朝にはキャンプファイアー後の燃えかすとなり、朝飯?!エスプレッソと食えてパンぐらい。となるのは、実感として私も理解できる。
しかし、
設備投資もままならないという理由で
安宿では火を使わなくとも用意できる朝食形式として、また、確固たる様式美として、コンチネンタルスタイルのブレックファーストはアジアの各地などでも見受けられ、拡がっている。
一杯のコーヒーが一日の着火剤となるように、簡素なTシャツとスニーカーで出掛けるように、
火を使わない朝食をスピーディーに頬張り、旅の一日を始める。
安宿で出会うコンチネンタルスタイルのブレックファーストは、先を急ぐ旅人のエネルギー源の一つだ。